小鳥の遊び場

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一人の時間と必要な時間

 睡眠とは誰しもが必要とする時間よ。でも、世の中には寝られない人もいる事は確かで、私達もその一人。あえて一人と書いたのは、人格によっては寝ることができる子も居るから。しかし、一人の人として見た時には寝てはいない。薬の力でギリギリ寝れているだけ。薬がないとそもそも活動を停止する事すらできないのよ。心の奥底では分かっているわ。寝ないといけない事ぐらい。でもね、寝られないのよ。どうしても。目を閉じてじっとしてても、上手く思考が止まってくれない。思考が止まらない限り寝る事は許されず、永遠と起き続ける事になるわ。そのうち、生きていても仕方ないのではないか?という疑問に辿り着いてしまうのよ。そうなると、希死念慮。死にたい病が発動し、その思考がどんどん悪手に進んで行く。こうして、自殺志願者たちは増産されていくのね。

 

 正直な話、普通に寝れる貴方が羨ましく思うわ。私達と違い、薬無しで思考が止まってくれるのですもの。でも、寝れない私達の中の人格には退屈のようね。そりゃそうよね。構ってくれないのだから。そうゆう時は私のように一人遊びができる人格になってしまうのが早いのだけれど、そう簡単に変われるわけもなく。その子にはしばらく寂しい思いをさせてしまうのね。ごめんね。これには抗えないのよ。申し訳ないけど、中々抗うのが難しい事なのよ。悲しいことに。

 

 話を戻しましょうか。人格の話ではなく、睡眠の話だったわよね。睡眠は誰しもが必要とする生理現象であり、身体を休める、思考の整理を行うなど大切な役割を持っているわ。しかし、その睡眠がうまく出来ないと先ほど述べた通り、自殺志願者が増産されていく。悲しい事に何故寝られないのかの理由はそれぞれでそれを解決するには、医者の力が必要で、そこには費用が掛かる、という悪循環。仕事で寝られないのなもしれない人に、お金を払わないのならいっそ死ねと。現代社会は言うのね。酷い話だわ。救済処置も確かにあるのだけど、寝れてなくて思考のまとまりが無い人にそんな高度な事出来るかしら。しかも、医者はその事を教えてくれないわ。だって、自分の利益優先だもの。なんて酷い社会なのかしら。

 

 社会は寝れない事に関してあまりにも無頓着だわ。寝られないとどうなるのか、今一度、考えてみて欲しいわね。特にちゃんと寝られる方々には。電気ショックでも流して寝れない体験を一度してみてほしいわ。きっと辛さがわかるでしょうから。

 

京華