轟音の中、台風が私の町を飲み込んでいた。秋になるとよくある台風。
続きを読む心という曖昧なものへ
心は臆病で弱虫で。私はそんな心と話をする。今日はどうしたい?何が食べたい?心の答えはなく、私は頭を抱えそうになる。主体性のない心。でも決して手放してはならない大事な思い。だから私は毎日話しかけるのだけど、答えはない。彼だか、彼女だか知らないけど、放っておけない。だって、核だから。私の大事な核なのだから。
続きを読む明かりのない世界
朝起きて目に付いた涙の跡をカリカリと指で取る。今夜の夢も良いものでは無かった。壊れそうになる毎日を必死に耐えて耐えて、夜にはこてんぱんにされる、そんな毎日。終わりにしたくても、そんな勇気がない。怖くて怖くて自殺なんてできない。一度、夜に20階建てのビルの屋上に行った事がある。空は非情で私がこれから飛ぼうとしているにも関わらず、綺麗だった。冷たくて強い風が、「どうせ飛べやしないだろ」と私を嘲笑っているように感じて、フェンスに手をかけた。でも、下を見た瞬間、死が大きな口を開けて待っていた。一瞬で恐怖に飲み込まれた。怖い。それ以来、私は自殺なんてできなくて弱い生き物なんだって思い知らされながら、生きている。年間何万人もの自殺者が出ているけれど、きっとその人たちは凄く強い人なんだ。だってこんな怖い事を簡単にやってのけたんだから。私には出来なかったこと。勇気がある人達なんだ。
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