小鳥の遊び場

詩と文のライブラリ

息を吸う、壊れないように。

 こんな夜更けに私は一人起きてしまった。いつもなら眠剤なしでは寝れないこの身体。でも、今回は一時間ぐらいはねてくれたの。頑張ったわね。


 私は出る機会が圧倒的に減ってしまっている。わかっている。プレッシャー、心、才能がない、そんなことわかっているわ。だから怖いのね。自分でもわかっているわ。こんな私を誰が好いてくれるのか?自分でも自分を好いていないこの心を。

 

 何故か知らない服を着て、知らないカバンを持ち、知らないうちに電車に乗っている今。……これはなんなのかしら?どうゆうことなのかしら?何故、絶望しきっているのかしら?何故怖いのかしら?かしら?かしら?かしら?かしらばっかり頭を巡っていく。何がどうなってこうなってしまったのか?私には知り得ないこと。


 右腕についている夢の欠片のような青いシーグラスを使用した腕輪がきらりと光る。その青は黒に斑に点在していて、まるで私のよう。黒は連なった記憶。斑らな青は私の記憶。夢の欠片。現実が現実に思えない今だから感じるのね。斑らな記憶の中。唯一わかるのは私はまだ生きているという事実だけ。壊れてはないという事。いっそ壊れてしまえば楽なのに。何にもわからなくなってしまえば楽なのに、私はわからなくなることはない。過去を忘れることはないのよ。


 溺れた魚のように私は必死に息継ぎをする。プランクトンによって海の中の酸素がなくなり、大量死する魚にらなりたくないと必死に必死に呼吸を繰り返す。こぼれ落ちる涙を誰もが無視をする。当たり前だわ。みんな必死に息をしているのだから。海の中、時々、楽になることがある。今がそうね。文を書いている時だけが私を救ってくれるの。心をすくってくれるの。


 文は嘘をつかない。


 私はいつもそう思っている。文は嘘をつかない。心を救ってくれる唯一のツールを私は逃したりはしない。手放したりはしない。だってそれが私の唯一の生きる道なのだから。
 

 

京華