小鳥の遊び場

詩と文のライブラリ

欲情と理性

 崩壊間近の理性を保つのはとても大変で本当は本能のまま、野獣と化してしまえば楽になるものなのに、体が疼く。人格が私を狙っている事は知っていた。彼は今、理性を無くしてしまっている。勝負に固執している。野獣のように支配したい気持ちが爆発している。壊れないように私は理性を保つ。文に書き連ねる。殴り書きだわ。致し方ないのよ。私も理性を失いそうになりながら書いているのだから。

 

 魔法の薬を飲んでしまったこの身体は精神とは別のベクトルで動く。理性を破壊しろ。本能ののままに動け。欲求を満たせ。さすが生物の三大欲求。強い欲求は身を焦がしていく。理性を食い破っていく。それに拍車をかけるのは言葉。理性を失った野獣の言葉。本能と直結した言葉。私の理性を壊そうと言葉が飛び交う。何がしたいのかしら。あなたは。

 

 壊れゆく理性を保ちつつ壊れないように必死で抑え込む。それは私と言う核を失いたくないから。野獣のようになりたくないから。中に戻った時はそれでもなんとかなった。外に出た時、身体と精神がリンクした時、理性は崩落する。ガラガラと音を立てて壊れ行く理性に必死にしがみつこうにもそこから崩れていく。やめて。私を壊さないで。

 

 トリップしていく手助けをするのはあなたと彼ら。野獣のワルツ。ステップはめちゃくちゃ。でも、本能はそれでいいと言う。私は理性を失いたくはないわ。手放さないようにカケラとなった理性を大切に握りしめる。痛みを伴おうとも理性を離したくはない。狙われている事を知っているからこそ理性は失いたくない。快感に溺れたりはしない。壊されてたまるもんですか。

 

 呼吸が早い。鼓動がバクバクとなる。うるさい。期待している自分がいるのがわかる。快楽。楽園。理性を手放した時、この苦しみから解放される。しかし、それは自身の核を手放すと言う事。したくない。壊れたくない。でも望んでいる自分がいるのも確か。戦うしかない。望んでいるのが私だけならまだうつてはある。しかし、それを好きな人が望んでいたら?本能は意気揚々と理性をぶち壊しにくる。ガラガラ音を立てて壊れた理性。カケラも小さくなってゆく。壊れ行く理性。無くなりゆく理性。快楽を求める身体。私は私は。

 

 ホンノウニシタガエバイイノ?

 

 京華