小鳥の遊び場

詩と文のライブラリ

美しき季節

 うららかな春。お散歩途中に見つけたの。私だけの秘密の場所。夕日に照らされて、風に花びらが散り川へ流れてゆく、春の花。桜が四方を囲み中には小さな公園が一つ。美しくて見惚れたわ。

 

 中の公園にはブランコが。そのブランコに私は座り少し風を感じた。暖かな陽気。美しい公園の滑り台には、桜の落とし物が。風そよぐ、夕方の太陽。そろそろ落ちて月に変わってしまう。美しい世界。夜桜もきっと綺麗だわ。でも、かなり歩いてしまったから、心配させてしまうわね。夜になる前に帰らないと。

 

 もうじき、夏が来る。夏になったらこの光景も、見れなくなってしまうのね。夕方の散歩。夏には何を見せてくれるのかしら。きっと葉を身につけて、また私に今度は夏の夕日を見せてくれるに違いないわ。うららかな春。


 雨が降る。あの落とし物がきっとたくさん落ちてしまうのね。梅雨の時期。季節は変われど、私の心の中にはあの光景が焼き付いて離れようとはしない。また、来年も春を見せてくれる事を楽しみに待っているわ。


 行きにチューリップが見えた。あのチューリップは落とし物をしない。特別なのは桜だけ。満開の桜だけ。春は沢山の花を私に見せてくれるでしょう。チューリップ然り、ネモフィラ然り、菜の花然り。でも、やっぱりあの落とし物をしてくれるのは桜だけ。来年が楽しみ。


 川のせせらぎが聞こえた夕方の時間。今度は夜の散歩に行きたいわね。きっとあの花たちが私を歓迎してくれるでしょう。川の横を走って行く人々。立ち止まり春を撮る方々。さまざまな楽しみ方があるのだけど、私はこのブランコで風を感じながらがいいわ。もう時期、梅雨が来る。そして、夏へと向かっていく。夏が終われば紅葉がまた私に、美しい世界を見せてくれる。


 家の中に篭っていたらわからない季節の移り変わり。春の落とし物も、夏の川も、秋の紅葉も、冬の厳しさも。すべては、季節に。

 

 この季節の移り変わりを知れて私は本当に嬉しいわ。ここにいられて本当に感謝しているの。心揺さぶる季節を私はちゃんと文にできるかしら。いいえ、皆様にも見てもらいたいわ。そんな気持ちを込めて文を書き綴る。

 

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京華