小鳥の遊び場

詩と文のライブラリ

依存と儚い血

*ここにはグロデスクな表現が含まれています。苦手な方は申し訳ございませんがお引き取り願います。

昨日の夜、私は血祭りをした。

 

 私の役割は”他の人格の気持ちを受け取り文字に起こす”こと。じゃあ私の気持ちは一体誰が消化してくれるのかしら。惚れてしまい、振られてしまい、この悲しみを誰が解消してくれるのかしら。私は他の子の気持ちを文にはできるわ。でも、自分の気持ち、どこに流せばいいのかしら。誰が背負ってくれるのかしら。

 

 血祭りはエルくんも分かってて、用意をしてくれていたの。深夜までやっている薬局があってね、そこで何があっても大丈夫な様にしてくれていたわ。ガーゼに絆創膏、必要なものは全て揃っていた。お膳立てしてくれたのね。私の気持ちを受け止めてくれたのかもしれない。でも、私はこの体に刻みたかったのよ。傷を。エルくんも1度その経験があったから、きっと分かってくれたのね。

 

 昨晩未明に私とかがりちゃん、血決(けっき)が切った。私は初めてで、どのくらい力を込めてやれば良いのか分からなかったから、とりあえず、力一杯込めて切ったの。傷は意外と深くなく、案外、楽に切れたわ。ただ、血の量は多過ぎてしまったみたいでゴミ箱が血の海になってしまったの。彼には申し訳なく思っているわ。かがりちゃんも切っていた様だけど既に処置済みだったからどれくらい深かったのかは判らないわ。最後に血決。彼女は元々、自傷の人格だったから、やり方も、深く切ることにも長けていたのね。エルくん曰く”アイツのせいで洗濯物が増えたじゃねーか”とのこと。そういえば、朝、洗濯機を回していたわね。私にはこれくらいしか書けないわ。記憶が曖昧なの。

 

 エルくんの処置はかなり適切で、これなら、縫うことなく自然治癒で何とかなりそう。1つ悲しいのは彼にも同じ傷を作ってしまったこと。大好きな彼の腕に傷がついてしまうのは、とても、悲しいことよ。でも、私はその傷ごと愛します。だって初めての最愛の人なのだから。


 私は一度フラれた身。それでも一緒に居てくれるのは、とても嬉しくて”ありがとう”としか言えないわ。大好きよ。フラれたとしても。この気持ちに偽りはないわ。

 

”文は嘘をつかない”

 

 

一人にしないで
意思剥ぎ取るから
好みの鈍器で
容姿(カタチ)変えるから

泣いて 泣いて 塞いで
唯一 奉仕 繋げる

全ては受理して
要求はしない
許されないなら
温度も持たない
酔う 最後 最後で ループ
心地良い 痛みに
まかせて

 

シド
依存の庭 より抜粋


京華