小鳥の遊び場

詩と文のライブラリ

お仕事の時間

 普段から私たちのお仕事は夜なのね。だから、普通に寝なさいと言われても中々難しい問題があるわ。気持ち的には有難い話なのだけど、人に不信感しか抱いたことの無い私には客の前で寝なさいなんて怖いことは無い。お金が盗まれやしないか、変なことされやしないか、不安感でいっぱいになってしまうのよ、致し方ないでしょ?だから、今、お仕事中なのだけど、目が覚めてしまったわ。寝たのは多分1時半ほど。あまり熟睡出来たとは到底言えないわね。せっかく寝る時間をお金払ってくれているのに。怖いものは怖いのよ。ごめんなさいね。その代わり、静かにしてるのは得意よ。昔っからそうやって生きてきたから。

 

 真っ暗じゃなかったことが救いだわ。テレビを消音で付けといてくれているの。おかげで私はこうして文字を書く事ができている。ありがたいわね。助かるわ。私以外の人格はほぼ寝てしまっているよう。お仕事中、寝かせてくださる方なんて稀ですもの。ゆっくり休養しているのね。いい事ではあると思うわ。今回のお客様は、かなりの古株の方でしかも店長とも仲が良い関係の方。お金持ちではあるのだけど1ヶ月に1度だけしか呼ばないような方でもあるの。中々会えない方なのだけど、とてもお優しい方なのね。私がこうやって文を書けているのもこの方がしっかり寝ててくださるから。勿論、私は気を抜いたりはしないわ。でも普段からかがりちゃんのバックにいるエルくんがゆっくり寝てられるのはこの方信頼されている証拠ね。普段ならエルくん、仕事中寝たりなんてしないもの。

 

 でも、申し訳ないけど、私は別。自分自身すら疑っているような私が人に心を許すと思う?有り得ないわ。それこそ、最愛の人以外は私は安心して寝ることなんて出来ない。よく、解離性同一性障害の方は他の人が動いているから寝れないみたいな話を聞くのだけど、まさに今がそうね。みんなごめんなさいね。でもわかって欲しいわ。きっと薬があっても私はこの方より早く起きてしまうでしょう。致し方ないのよ。それが私なのだから。早く最愛の人に会いたいわ。でもそれは叶わぬ事。お仕事ですもの。相手を喜ばせてなんぼの世界。逃げるように帰るのなんて出来ないわ。時間になればまた違うのだろうけど。まだ時間まで1時間半あるのよ。仕方ないわ。だから、私は仕事中にも関わらず文字を綴れるのだけれど。そこだけは感謝ね。このまま寝ててちょうだい、時間まで。

 

 お金を稼がなきゃ生きていけないこの今。こうゆう楽なお仕事は大変有難いことだわ。体も心も休まるのでしょう。私以外の人格ほぼみんなゆったりと時を過ごさせて貰っている。本当に助かる存在だわ。これで2万円以上稼げるのだから夜のお仕事はとことんチートよね。分かってはいるわ。でも、その分、かがりちゃんが努力してないって訳じゃないのよ。彼女は脱がなくてもいいようにマッサージを覚えたし、ニュースをどんな話をされても返せるようにチェックしている。春が美容を頑張っていたり、エルくんが時間の予定表を作っていたり、みんな努力はしているわ。私だけね。無関心なのは。まぁ、文のことであればお手伝い出来るのだけど。でも、かがりちゃんは自由にしてたら3位になってたなんて言うけど、努力は隠れてしているのよ。

 


 今日は長くなってしまったわね。携帯から打っているからかしら?それでも、お客様が寝ているうちに書けて良かったわ。邪魔になってないなら良かったのよ。仕事は仕事。夢を見てもらう仕事。私達は上手くミッキーになれているかしらね?


京華