小鳥の遊び場

詩と文のライブラリ

real me

 自分がわからない。演技で過ごしてきたから。全て演技で自分を誤魔化してきたから。でもその演技ってどこから、自分がどこから演技なの?わからない。限界ってどこ?私ってどこ?

 

 彼女は苦悩していた。表向きには明るく、可愛らしく、時には甘えて、喘いで、喜ばせて、ドえむ?でも、全てが納得いかない。私はどこ?彼女の苦悩は続く。言われた通りに動くロボットのように、パソコンのように動く彼女。中の人からの声も受け入れて、嫌だとかいうのも全部、演技で、偽り続けて偽り続けて、自分すら見失った彼女。痛みすら快楽に変え、苦痛すら無かったことにし、苦しみすら忘れて。自分を見失った彼女。夢を語りすぎて、愛の教科書には何にも書いてないようで。生きる鎖が欲しくて。生に鎖をつけたくて、性に溺れるふりをして、演技で演技。傷すらわからなくなって。だから平気で、好きという気持ちすら作り出して。紛い物。それでも彼女は気づかない。だってそれしか生きる方法がわからなかったから。純粋?素直?可愛らしい?ボーイッシュ?甘え?厳しい?全て紛い物。彼女にはお茶の子さいさいで、できる。言葉?トーン?濡れたふり?変えることなんて簡単。暴力を振るわれたって、自分がわからない彼女には、意味をなさない。理解をすることなんて到底できない。紛い物。そう言われても仕方ない。人格として破綻している?そう言われても仕方ないでしょうね。個性がないのだから。

 

 個性だと思っていたものをぶち壊された。けど、それすらも演技。壊れた演技。涙すら自在に出すことのできる彼女。足をつる?涙を一瞬で止める?手の震え、足の震え?全て全て演技。好き?嫌い?演技演技。自分の気持ちすらわからない彼女がそんな感情持つわけがない。本当にダッチワイフ。ロボット。コンピュータ。

 

 他の子が言っていたわ。彼女はコンピュータ。使い方次第でいくらでも使えると。そうじゃないのよ。わかってない。本当を知っているのは自分だけって思っていた私も馬鹿だったけど、それでも、生きてこれた。警察をかわすほどの演技力。医者ですら騙す、演技。自分すらわからなくなるほどの擬態。一体、彼女はなに?わからない。彼女にもわからない。

 

 自分が見つからないから彼女は自分探しをする。夢について語ったことがあったと思うのだけど、彼女の夢はきっと気づいてないだけで

 

 本当の自分を探す

 

 ことなんじゃないかしら?

 私は可哀想だとか思わない。自分探し。いいじゃない。ただ、それを自覚できてないのは、とても問題ね。この文を見て彼女が自覚できてくれたらいいのだけど、きっと無理でしょう。所詮他人が書いた文。強制力なんて無いもの。生きてるだけで彼女にとってはいいのかしら?、

 

 愛情不足。

 

 ワタシをみて?

 本当の私を見せて。私は誰?

 

 生きていきたい。死にたい。苦しい。愛情が欲しい。本当を教えて。私という本当を見せて。

 

 

夢を語りすぎて
命が軽くなりそうで
愛の教科書には
何にも書いてなさそうで
瞳をこらす
確かな物は何処
胸を焦がす何かを探して

秘密抱えたなら
少しは重くなれそうで
貴方の瞳には
何か潜んでいるようで
指を伸ばす
生きる楔が欲しくて
二人は初めてキスをしたの

その瞳は何を見つめ
銀色の朝の中を
満ち潮の夜の中を
彷徨って行くのでしょう

この水は何処へ続く
塞き止められた日々の中
穢れ無いものはいつも

愛の無い場所にあるのでしょう

心の片隅に
何か淀んでいるようで
愛で塗り潰せば
全て正しくなりそうで
瞳をこらす
夜明けの星は何処
奇麗な光が一つ欲しい

この濁りを愛と呼んで
ありふれた影の中を
もどかしい夜の中を
漂って行くのでしょう

この水は何処へ続く
流れを恋い慕っていた
探してるものはいつも
届かない場所にあるのでしょう

自分の傷ならば
自分で嘗めて治せそうで
それでも傷跡を
見せびらかしたくなりそうで
ヒトになるまで
まだまだ遠い道かしら
心は何時からここにいたの

夢を語りすぎて
命が軽くなりそうで
愛の教科書には
何にも書いてなさそうで

この水は何処へ続く
銀色の夜の最中を
爛漫の愛の中を
何処までも流されて行くの

 

Kalafina
Destination Unknown より抜粋

 

京華