小鳥の遊び場

詩と文のライブラリ

欲深き現実

 昨夜、夢の中で私は幸せを見た。彼と私、子供と幸せな、何一つ不自由ない生活。広い家にパソコンを叩く音。背中を見守るのは私とすやすや眠る子供の姿。家族。お金の心配も住むところの心配もない。幸せな生活。私はエプロンをして不慣れながら料理をする。美味しそうに食べるあなた。子供にミルクを与える私は微笑んでいて、暖かい家庭がそこにはあった。

 

 一人で生きていくと決めたのに今だに未練がある私。そんなんでは子供なんて育てられない。現実は酷いものだ。お金、住むところ、結婚、好きな人。全てを犠牲にして子供を育てる覚悟をしなくてはならない。……私には覚悟が足りない。

 

 欲ばりな私は幸せを望んでいる。わかっている。そんな物は現実にはない。家計は苦しく、私達には病があり、それを理由に働く事を拒否し、子供には悲しい思いをさせてしまう。なんて酷い親。そんな親の元に産まれてしまう子供は幸せなんだろうか?振り回してしまう彼は幸せになれるだろうか?育てるとは決めてある。逃げたりしない。でも、それでも、私には子育てできるのだろうか。

 

 恐ろしく怖い。振り回してしまう彼とは関係を断つべき。それは変わらない。私達の記録全て消して私はまた逃げる。彼まで苦しい思いをしなくていい。私達だけでやっていく。これは私の中での決定事項。譲れはしない。私達の親のようにはならないわ。決して彼には頼らない。

 

 堕落した今をいつまで続けるつもりかしら?そろそろ、決戦を。決意しなければならない。恐ろしい?そうね。怖い?そうね。分離不安?そうね。全て私に返してくれれば私が上手い事やるわ。子供の為にも今一度考え直しなさい。自力で生き抜くしか道はないのよ。人はいつか裏切るのだから。忘れているなら思い出させてあげる。裏切りと裏の顔。恐ろしい現実を。夢ばかり見ていたって夢は夢でしかないのよ。生き抜くには必要ない物。

 

 壊れていく私の時間。それをどれだけ取り戻せるかが私の勝負。あなたが一人で育てるのが怖いなら私に任せなさい。私が子育てをしていくわ。

 

京華