小鳥の遊び場

詩と文のライブラリ

「醜くて美しい物」

 全ての事は偽りでできている。私はそう思うのね。なんせ、私達が偽りで生きてきているから。偽りは偽物。本物なんてあるのかしら?私にはわからない事。いつも偽りの中で生きてきたから。親を騙し、友達を騙し、彼氏を騙し、身近な人達を騙して生きてきたの。だから、本当を私達は知らない。知りたくない。知ったところで何にもならない。どっかの彼女は本当が知りたいと嘆いていたけど、貴女の本当はその偽りなのではないのかしら?別に本物とかどうでもいいじゃない。今の私にはそう思うの。ダメかしら?

 

 文は嘘をつかない。そう信じてきた私も実は偽りの存在で、生きてるふりをしてるだけなのかもしれないわね。ふふ、そう思うと、全人類偽りの中で生きているのもしれないわ。どれが本当なのか、どれが偽りなのか、よくわからないわね。

 

 生きる限り私達は偽り続けていくのね。ごめんなさい、ありがとうございます。助かります。本当の言葉ってどれかしら?偽りのない言葉もあるかもしれない。でも、偽りの言葉も必ずあるはず。社会人だものね。偽りなくては上手く回らないことはいっぱいあるものね。別に嘘つきが悪いとは思ってないの。でも、嘘は嘘で塗り固めるためにまた、嘘をつき続けることになるの。結局は、嘘も偽りと変わらないのよ。悲しいことに。小さい頃、1度も嘘をついたないと言えるかしら?

 

 人は多かれ少なかれ嘘をついている。自分を偽っていきている。こう言ってる私も、仕事なんてしないで、深夜の五時に抱き枕にしがみついて、暖房の中、ふかふかのマットレスの上で、電気毛布を、被っている。これは嘘じゃないのよ。本当のこと。ふふ、いい身分ね。

 

 嘘や本当とはどうすれば見極められるのかしら?資格でも取ればわかるもの?ブランド?正直、わからないわ。だから嘘にまみれてる。偽りにまみれてる。偽物にまみれてる。醜い世界ね。本物はどこにあるのかしらね。

 

 自分が認めたものが本物になる。

 

 結論はこれなのかもしれないわ。自分の世界で自分の信じた物だけが貴方の本物になるの。醜い世界で唯一、美しいのは自分の信じた世界だけよ。

 

 

京華