小鳥の遊び場

詩と文のライブラリ

自業自得

 鉄格子の先には森が広がり、転々と部屋の明かりが見える。ここは牢獄。窓は5cmしか開かない。扉には全て鍵が掛かっている悲しい、でも、優しいはずの牢獄。女子寮。外には決して出ることのできない牢獄。

 

 夜から朝まで寝ることができない私にはこの牢獄を眺めるしか出来ず、朝の4時、私はここで遠くを見る。いつかこの牢獄から出れることを夢に見て。でも、残念なことに今日は日曜日。主治医は明日まで来ることはない。あと1日2日くらいは外に行くことができない。

 

 空を飛んでいく鳥。自由にはそれなりに大変なこともあることは、わかっているわ。でも、私には自由が欲しいと思ってしまうの。死ぬのも生きるのも自由に。苦しみ続けた何年もをなくしたい。自由にできるのなら。と、ついつい考えてしまうのよ。この先、私達はどうなってしまうのかしら。怖いわ。タバコを吹かしたいところだけどここは病院という監獄。なんでもかんでもできるわけない。制約が沢山ある。悲しいことにその制約を取り除くと体がきっと、死んでしまうわ。その危機を感じたからエル君は入院を急いだのね。今のところ特に何にもないわ。ただし、エル君がキツそうなぐらい。

 

 あの頃の地獄みたいな時よりはましだけど、やっぱりここは監獄ね。外に出たいわ。風を浴びたいわ。でも、堕姫とか喜んでたわね。

 男性看護士がいる。

 ってね。大変なのはトイレね。トイレに行くと匂いでそれどころじゃなくなっちゃうのよ。あと、寒暖差。窓際が私の今の所お気に入りなのだこさけど、寒いのよ。もう5月なのに、寒いのよ。隙間風かしら慌ててズボンを持ってきてもらったわ。とにかくまだ入院2日目、今後はどうなることやら。定期的にこうして文を書くことにするわ。

 

 ちなみにあたしは堕姫よ。この文の後半から変わったってわけ。見つけ出してごらんなさい。ふふ、ふ。