小鳥の遊び場

詩と文のライブラリ

漂う未来

 あなたの世界には未来が見えるかしら。私には見えない。過去はいつも見える物だったけれど、未来は見えない。生きるのに必死で、先なんて見ることが出来ない私は、過去に戻ってしまった。ふふ、そんな事はないなんて思うでしょ?でも私は本当に記憶の一切を全て投げ出して過去に戻ったのよ。

 

 過去の私はかなり殺伐としていて、人を完全に信用していなかった。懐かしいわ。今の私じゃ考えられないもの。好きな人がいる私にはあり得ないものよ。それでも過去は過去。しっかりと見つめなくてわね。緊急用の人格として出現したのが私。エルくんがこの体をうまくコントロール出来ていなかった為に死にたがりの人格が暴走し、手に負えなくなっていた時に私は出現した。だから、誰も信じない、一人で全て終わらせる、と言う無謀なことをしようとしていたのよ。ハッキリと”私は大丈夫”なんて言っていた時代。身体が動かなかろうと、希死念慮が来ようと私は大丈夫、私さえいれば何とかなる。と思い込んでいた時期。何年前かは忘れたわ。でも、今みたいには話せなかったし、思いもし無かった。一人で抱えて、吐き出すことも出来ず、ただただこの身体を守ることが全ての時。”大丈夫”が口癖のように言っていた時期。名前の表記も今の京華ではなく、平仮名できょうかだった時代に、私は戻ってしまったのよ。何をしたか、何を感じていていたか、恐れか、喜びか、それすらも忘れているのか。今の私にはわからない。でも2年前に戻り生活をしていたと言うことは、わかるわ。生きるに執着していた時代。今ならわかる。生きているだけじゃ意味がないこと、楽しむことが大事。昔は忘れていたというか、必死でしか無かったこと。

 

 私は過去から脱却して今を生きている。好きなことも思い出し生きている。

 

 短くなってしまったけど今回はここまで。過去は過去。今は今。私の記憶は飛び飛びだけれども、今を生きている。

 

 

京華