小鳥の遊び場

詩と文のライブラリ

雨とお団子

 ポツリポツリと雨が降る。私はそれを窓から眺めながら、お団子を頬張る。黒糖の甘みと匂いがブワッと広がり、雨の憂鬱感をけしてくれる。私達は雨は苦手ではないのだけれど、やっぱり苦手。憂鬱になってしまうのよ。仕方ないわね。雨は太陽を隠してしまうもの。いつもいてくれる訳ではない太陽。でも、お団子もいつもある訳ではないもの、こんかいは運よくあったのだけれども、普段ならないもの。不思議だわ。この組み合わせがとても幸せなのよね。

 

 雨粒が窓にあたって水滴が滴る。とても雰囲気が綺麗に見えて、嬉しいわ。この雨が止んだらにじでも出るかしら。それもそれで風情があるわね。心地いい雨音。それを聴きながら食べるお団子。美味しい味が舌と匂いと耳と目で感じるなんて、なんて贅沢なのかしら。

 

 私は黒糖やみたらし団子が好物なのよ。胡麻は勘弁だけれど、他は好きよ。もちもちした感じが好きなのよね。美味しいじゃない。胡麻胡麻の味が強すぎて苦手ね。私はもちもちと匂いが好きなのよ。あとは見た目も大事ね。胡麻はなんか暗い感じがして嫌い。草餅なんかはとても美味しく感じるわ。あら、私の話になってしまったわね。元に戻しましょう。

 

 雨は時間が解決してくれるから好きよ。それに雨が上がったあとの時間も好きだわ。草の匂い、花の匂い、木から落ちてくる雫。あめあがりの見え方も違って見えるところもとても好きだわ。水溜り、雫、どれも心地よいものよ。雷はびっくりするけれど、あたらなきゃ大丈夫。ポツリポツリの音も心地良いものよ。家の中なら問題は無いわ。外だと面倒なのはわかるけれど。

 

 雨の中のお団子おいしいものだわ。ええ、とても。こんな感覚は梅雨が始まらないと味わうことはなかなか無いのよね。まだ、桜の咲くころ。晴天が続きやすい季節。こんな時期にこの感覚を味わうなんて嬉しくて今文字を描いているの。どうか、雨の日には甘い物を食べてみて欲しいわ。もちろん、家の中でね。好物を食べれればとても、雨がすきになるとおもうの。

 

 時間がない中で窓際に好物広げるのは中々大変だとは思うわ。でも、雨が苦手で辛いひとには、是非、試してみてちょうだい。

 

 ふふ、また私の話になってしまったわね。

 

 

京華