小鳥の遊び場

詩と文のライブラリ

夕焼けとビール

 夕焼けの太陽が眩しい。
 帰宅ラッシュを抜けて俺は商店街を歩いている。今晩のおつまみはカニクリームコロッケだ。惣菜屋がとにかく美味しい。行きつけになりかけてる俺。店員さんにはもう顔覚えられてるからなぁ。美味いから、いいんだけど。肉の焼ける匂いがしてきた。焼き鳥か、いいな。俺は考えなしで焼き鳥屋に入った。

 

 香ばしい炭の匂いがする店内。客はそこそこ。まぁ、これからがかき入れどきだろうからな。そんなもんだろう。俺はとりあえずお持ち帰りで、つくねを2本ともも、ネギまを1本づつ。あとぼんじりを1本。ぼんじり以外はぜんぶタレだ。俺はまだまだ子供舌だから塩とか無理。「あいおっ!」元気なおっさんの声と共に焼き鳥が焼かれていく。ジュウと美味そうな音を立てながら、煙が空に登った。

 

 今日はノー残業デー。少しリッチな気分で焼き鳥とカニクリームコロッケを片手に夕焼けの道を歩む。今日のビールも少しリッチにしよう。少し高めなビールを片手にコンビニのレジへ。リッチってなんか豪遊してるみたいで嬉しい。が、懐が少し痛い。いいんだ、明日は給料日だから問題ない。

 

 ボロアパートの階段を登り3個目の扉の前で鍵を開ける。部屋はかなり汚いが男の一人暮らしなんてこんなもんだろ。散らかった机を軽く片付けて、荷物を置く。今日も疲れた。毎日毎日デスクの前で、ぼちぼち、パソコンしながら、電話応対の日々。本当疲れた。

 

 スーツを適当に脱ぎ散らかし、部屋着に着替えて、プシュッとまず一杯。くー!うまい。普段飲んでるビールより断然味わい深い。続いて椅子に座り焼き鳥を頬張る。これこれ!美味いなぁ。炭火とタレのベストマッチ。肉も硬くなくちょうどいい。これからのいきっくカニクリームコロッケも一口。口の中でカニクリームがとろりと溶け出してサクサクの衣と混ざり合う。美味い。どれもこれも毎日の疲れが流れていくように美味い。今夜はリッチな日。リッチに、味合おうじゃないか。

 

 

 本日も物語を書いて見ました。どうぞよろしくお願いします、

 

京華